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2006年10月25日 (水)

トカラ皆既日食

 2009年7月22日午前10時55分頃,十島村では今世紀最大級の皆既日食を観測することができる。3年前にして下見に島まで来る人がいるくらいなので,相当注目されているのだろう。

 十島村役場の方でも事前にアンケートを実施し,村の行政の立場の方でどのようにしていくか,3年前にして既に具体的に動き始めているようだ。しかし,実際問題としてやれることは限られている。また,村がまずやるべきことは,皆既日食めあてでやってくる観測者・観光客を主体に物事を考えるのではなく,島民の生活を主体に行政に取り組むことではないだろうか?
 例えば,フェリーとしまは,島民にとっては唯一の交通手段である。言い換えれば県本土から島間そして奄美大島までをつなぐ「道路」と同じである。ただし,通常の道路と違ってえらく信号待ちが長い。信号が青になって,次に青になるまで最低まる2日かかる。(これは往復でだから,片道だと1日,という計算も成り立つかもしれない。)そして,一度の青信号で渡れるのは船に乗れる量であって一度にたくさんは渡れない。つまり「駆け足で」信号を渡れない。フェリーとしまの場合は200人。鹿児島から200人,名瀬から200人としても,1往復(2日間)で最大400人しか運べない。この輸送容量は船を増便でもしない限りどうしようもない。村には別に高速船「ななしま2」があるが,これを加えても数十名である。
 その上で「どうするか」といっても現状でやれることは限られている。というか村自体でできることは「1日に200人運べること」しかない。問題はこの容量が日食めあての人たちだけのものではない,ということだ。むしろ,その人たちのために島民の交通手段が奪われることがないよう,あらかじめ島民のための容量を確保することが村の行政としてやるべきことであると思う。なぜなら,それがフェリーとしまの役目だからである。

 具体的にはどうするか。
 フェリーとしまは,鹿児島発の便については出発前の月の15日から乗船予約をすることができる。これを島民に限っては数日ほど繰り上げる。また鹿児島への上り便については予約をすることができないが,皆既日食前後の便については同様な予約ができるようにする。実際これは観光客が集中するゴールデンウィークの頃にはやっていることである。現状で村ができることはこの程度のことしかない。

 じゃぁそれ以上の方法については,というと,これはもう県・国,もしくは民間に任せるしかないのでは?と思う。
 県・国としては,十島各島の港に接岸可能な船を臨時便として出すことができるように他の自治体,民間船会社にはたらきかけること。日食めあてのために村は船を造ることは無理だし。
 民間としては,旅行会社が「日食観測ツアー」と銘打って大型客船を利用した「洋上での」ツアーを企画すること。一番現実的・理想的なのはこのツアーじゃないかと個人的には思うのだが。

 私はたまたま県の行政によって,現在この島の島民である。だが,3年後にこの島の島民であるとは限らない。というかその可能性は小さい。観測地としては私の住んでいる島が(陸地では)ベストポイントだそうである。個人的に「一生に一度は皆既日食を見てみたい」,とは思うけど,多分この皆既日食をここで見ることはないだろう。

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