受検と受験
私は意外としょうもないことにこだわる性格だと思う。受「検」と受「験」はどう違うか。漢字が違うんだからもちろん意味が違う。
受検…検査を受ける。
受験…試験を受ける。
一般的に言う「入試」は入学試験の略。しかし,鹿児島県の公立高等学校の場合,
鹿児島県公立高等学校入学者選抜にかかる学力検査
ということで,公立高校受検生となる。ついでに,他の都道府県の場合どうだろうか?,と思ったので,九州各県の公立高校の場合を調べてみたら,どこも学力「検査」,もしくは選抜「検査」,という表現であったので,多分全国的に見ても受検生となるのだろう。ただ,公的機関のサイト上で公立高校「入試」という表現をしているところもあったけど。
で,今度は,私立高等学校の募集要項を見てみると,これが入学試「験」となる。これは県内すべての私立高等学校の場合を調べたわけではないが,私立高校は受験生になるのだろう。まぁ,ここまではいい。要するに言葉の使い分けの問題。
気になったのは,
なぜ試験の「験」が馬へんで,検査の「検」が木へんなのか?
である。こうなってくると漢字の意味の問題。で,調べてみた。特に馬へんの「験」。なぜ「調べる」という意味に馬へんが使われるんだろう?,ということ。こうなると漢和辞典の出番である。久々に漢和辞典なるものをひいてみた。
験も検も,もともとは「驗」,「檢」という字。これは旧字体がこんな字だった,という意味ではなく,音を表す「僉」という字自体に意味がある。
僉(セン)…多くの人や物などをひとまとめに集めること。
とある。要するに「皆,悉く」の意味を表す文字らしい。だから,これに木へんがついて,多くの木の札を一カ所に集めて「調べる」ことの意味で「検」という字ができたようだ。
ということで,問題の「験」である。たくさんの馬を一カ所に集めるの意味になる。これからだと,調べる,という意味よりもたくさんの馬の中から選りすぐっていい馬を見つけ出す,という意味になってくるのではないだろうか? まぁ,選び抜くために調べる,という意味ではつながるとは思うけど。
実際,漢和辞典では「もとは馬の名」ということなので,そうやって選び抜かれた馬に「験」という名前を付けたのだろう。いやぁ,漢字って,はまると奥が深いものだ...。
まぁ,ある程度納得がいった。私立高等学校の場合は(馬と同じように)一緒くたにたくさんの中学3年生を集めて,自分の学校に入学させるかどうか「試す,選び抜くために調べる」ための試験をするのであって,公立高校の場合は,高校に入学するために必要な学力を有するかどうか「調べて明らかにする」ための学力を「検査」するわけだ。私立高校は馬扱い,公立高校は木札だから物扱いだな。
なぜ,こんなことが気になったか?
きっかけはこちらのブログ。受検生,頑張れ!!
投稿: ブログ管理者 | 2007年3月 2日 (金) 17:36