メールの送受信に関する研修2
2.研究仮説の設定と検証
このような不具合の原因を探すためには,1つ1つ問題を切り分ける必要がある。今回解決すべき課題は,
「こちらから送られたメールに返信しようとするのだが,リターンメールで戻ってきてしまう。」
ということである。相手側のパソコンの設定状況はわからないので,こちらでメールソフトの送受信についての動作についていくつかの場合を想定し,どんな設定ではどのような動作をするのかを確認してみた。
(1) 送信したメールに返信アドレスが指定してある場合。
これは今回のケースでは当てはまらないんだけど,一応確認してみる。
メールアカウントのプロパティに「返信アドレス」が指定してある場合,たとえば,
「hikkun@synapse.jp」が自分のパソコンに設定してあるメールアカウントで,これで送ったメールに対する返信を「hikkun.i-mode@docomo.jp」とか別のアドレスに返してほしい場合にはそのアドレスをセットする。そうすると返信の際にはそのアドレス先に送ろうとするのだが,その設定を正しく入力していなければ,宛先不明のメールを送ることになりうる。
自分の携帯電話のアドレスを返信アドレスにセットし,自分のパソコン宛にメールを送信。で,それを受信したのち,そのメールへの返信を[返信]ボタンをクリックして行うと,ちゃんと携帯のアドレスをセットしてくれた。もちろん送信したメールは携帯に届いた。
これはまともな話。いつもは送信先のアドレス指定をしていないんだから,これは原因ではない。
(2) [返信]ボタンをクリックして返信じゃなくて,アドレス帳の名前をクリックして送ろうとしている。がそのアドレスを入力し間違えている場合。
ないとは限らないけど。自分でメールを送るとき,あらかじめアドレス帳にわざわざアドレスを直接打って登録することはないしぃ。
でも,アドレスの打ち間違いでどんなメールが帰ってくるのか確かめてみる。こういうのを実験する際に,架空のメールアドレスを作りだしたつもりで,実はその相手が実際存在したなんてなると非常にはた迷惑なメールになってしまうわけだけど,今回の相手が独自のドメイン名を取得しているところでなおかつ,一定の規則でアカウントを付けていたので,そこをいじってメールを出してみる。
たとえば,「busyo-1@dokuji.jp」という場合,「1」の部分は何人いるかわからないので,「busyodayon-1@dokuji.jp」とか「busyo-1@dokujidayon.jp」とかにしてメールを送ってみた。
案の定,プロバイダのメールサーバから送信者がいないというメールが帰ってきた。
ただ,この2つの場合,帰ってきた際のメッセージが微妙に違う。
まず,ユーザー名,つまり@より前の部分をいじって送った場合,
The following message to <busyodayon-1@dokuji.jp> was undeliverable.
The reason for the problem:
5.1.0 - Unknown address error 553-'5.3.0 <busyodayon-1@dokuji.jp>... User Unknown'
というようなメッセージが帰ってくる。要するに(そのドメインは存在するが,そこに)そんなユーザーは知らない,という原因でメッセージを届けることができなかった,ということ。これがドメイン名,つまり@よりあとをいじって送った場合,
The following message to <busyo-1@dokujidayon.jp> was undeliverable.
The reason for the problem:
5.1.2 - Bad destination host 'DNS Hard Error looking up dokujidayon.jp (MX): NXDomain'
というようなメッセージ。これはそんなドメイン探せなかったのでメッセージを届けられなかった,という回答。
どちらも回答をよこした相手は
私がインターネット接続しているシナプスのメールサーバである。
とまぁ,単にリターンして帰ってくる,とは言っても,メールサーバが送り返してきているなら,どんな理由のメッセージで帰ってきているかわかるだろう,ということに落ち着いて電話で聞いてみることにした。
そしたら新たな事実が判明した。
以下次号(再びぉぃぉぃ)
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